小口研治のものつくり雑記             創る仕事

 墨壺         墨壺


 大工さんが使う墨壺です。

我が家の家系を遡ると、大工を生業とした時代が数代あった

ようです。

自家で使う家具も少し残されていて、指物を当たり前に作る

ことが出来たようで、腕の確かさを感じます。

道具も大方処分しましたが、気になったものは残しました。
               墨入れ大小   糸車の残っている大きいほうが通常の大工仕事用で

比べてみるとサイズの違いが分かります。

多分指物などの小型の物に使用したと思います。
 墨入れ    墨壺は下のくり抜いた穴に墨を入れて素材に墨付けすることから

  墨入れとも言いますが、

  形がスミレの花に似ていることが語源との説もあります。

 アールヌーボー    これはアールヌーボのデザイン。

   ひょっとして、スミレの蕾でしょうか?

   自分のためだけに作った道具に

   センスと誇りが伝わってきます。
 お手本    残したのは、手触りが良かったからです。

   私の仕事のお手本として大事にするつもりです。

     小口研治のものつくり雑記        創る仕事
 木型の冴え        型の冴え


    の写真は、松本民芸の故池田三四郎著 「続.原点民芸」用美社 刊

   に掲載された木型で、池田先生の蒐集品です。

   ヨーロッパの左官がこの木型にプラスター(漆喰)をつめ、抜き出して壁の

   装飾に貼り込んだものです。


   紹介文では、「堅い木に彫ったこの木型はネガティブであり、ポジティブを

   常に想像しながら彫り抜いて行った職人の腕の冴えは、今見ても感心する。」

   とあります。
 石膏型       まだ池田先生がお元気の頃、友人と研究室におじゃまして

    いろいろ教えていただいた時に、見せてもらった物の一つです。

    あまりにも素晴らしかったので、木型をお借りして型を取りました。

    これはシリコン型から石膏に起こしたものです。
ブロンズ鋳造    
  
 ブロンズで鋳造してみました。

   まさに、型の冴え!これを木にネガティブに彫り込むなんて

   凄い腕だと思います 
  どの角度から見ても見飽きることがありません     時代の様式美を伝える唐草のデザインですが、目触りも手触りも良く、

  
 ものづくりのお手本です。
 唐草ブロンズ  ブロンズ型
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