ステンドグラススタイル山日記 26  2014年4月5~6日 百四丈滝

 一里野スキー場   すでにクローズした白山一里野スキー場から

  登山開始、積雪10センチ余りで圧雪した雪面に

  新雪が積もり歩きやすい状態です。



  ※このルートはここ数年の春は初トレースを踏んだ

  と考えていますが、積雪状態によっては超難コース

  となります、昨年は降雪の中ラッセル15時間余り

  避難小屋着は夜の10時を過ぎていました。途中に

  迷い尾根もあり地形を把握していることが必要です

  安易に立ち入るルートではありません、もちろん条件

  次第では日帰りも可能なルートですが…。

  2013年 百四丈滝です。

  2012年 百四丈滝はこちら。
 檜倉の檜   スキー場最上部で和カンジキを装着して新雪を踏み

  しばらく登ると休憩地点の檜倉着。みごとな檜が

  点在しています。どれも厳しい環境を生き抜いて

  すざましい形相をしています。用材として使えない

  ものが残されたのでしょう。

マンサクの氷漬け    せっかく開いたマンサクの花がが雪に覆われています。

  早春の森で「まず咲く」のでマンサクの名が生まれたとか

  花が枝にいっぱい咲くので豊年満作との説もあります、

  それにしても自然は厳しくも美しい姿を見せてくれます。
 笈ヶ岳と大笠山   遠望する、右が笈ヶ岳と左の大笠山

  奥深い北陸の名峰ですが笈ヶ岳は明確な

  登山道はありません。

  
 春の新雪   予想外の陽射しの強さに雪が重くなってきました、

  先が思いやられます。
 ブナとツルの張り付いた雪   橅(ブナ)の木に絡んだツルに飛ばされた雪が張り付いて

  キレイな造形美、空の青が効いています。
しかり場からハライ谷につづく激パフ斜面、スキーヤーやボーダーに滑られていますが、きょうは和カンジキ!眺めるだけでは辛すぎます。
 新雪斜面
しかり場から遠望する画面右手に見える芥子粒ほどの奥長倉避難小屋と美女坂付近の全容、この場所から見えたのは始めてで今日の目的地点です。
 美女坂遠望
↓ 前の写真の拡大。
 奥長倉避難小屋と美女坂
 プチルート工作   クラスト斜面に積もった雪、プチルート工作。
 陽射しを浴びて   アップダウンの激しい長ちょう場、足にまとわりつく

  重い雪が体力を奪い腹がへります。

 昨年降雪の中あえいで登った吹き溜まりの斜面、見れば美しいのですがの登れば地獄。
 深雪斜面雪
 登ります   登ります ♪
 ここはかっこ良く直登してキレイなトレースを描きます。
 深雪直登
 新雪深すぎ   ん!深い 。深すぎて足が上がらず膝で崩しながら

  登りますが 直登はここであきらめました。 

 名前のように白い白山の峰々、百四丈滝の落ち口が見えますがなかなか姿を現さないのが幻と言われるゆえんなのです。
 七倉山と四塚山
 画面の真ん中の三角屋根が避難小屋、2階の出入り口まで雪に埋まっています、あと40分のラッセル。
 避難小屋
 奥長倉避難小屋着    18:00 奥長倉避難小屋着。

  ピタリ!12時間のラッセルお疲れ様でした。

  パートナーの干場 晃  白山系スペシャリスト。
 荷揚げ成功   荷揚げ成功、力水は重い。
 なんと、普段の行いの賜物!ドピーカンの朝です、雪ひだと雪庇の陰影その美しさは息をのむほどです。
 朝日の美女坂o
 美女坂深雪   美女坂登り、相変わらず深いサラサラ雪、

  好天が救いですが疲れます。
 美女坂の頭直下の登り。
 美女坂の頭直下
 美女坂を登り切った所で無常にも怪しい雲行きになって来ました。
 悪天の兆し
 幻の滝   2014年4月6日 今年の百四丈滝です。

  残念ながら百四丈滝は幻のようにガスの中、

  今年はまだ水量が少ないように見えますが、

  巨大モンスターは確認できました。
 下山は朝の青空からは予想すらしなかった降雪と吹雪、トレースは消えてふたたびのラッセルに苦しめられました。
 吹雪の下山
 しかリ場に下山    しかり場着、もう雪はいいです。
 シカリ場プレート   加賀禅定道と祓谷登山道の合流分岐点

  にある「しかり場」、力量の無い者はここより

  立ち入らないいように叱った場所。

  あるいは、女人禁制の時代に入山を試みた

  女性をしかり返した。

  この時期の吹雪、私たちも叱られたのかも

  しれません。


  他にもシカリの意味は、狩場の頭領を指し、

  狩猟の指図をした場所との説もあります。

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