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はじめに 私は自分の思うままにポツポツとステンドグラスを創り続けてきました。 ステンドグラスに係り50年、作品を創り初めて45年という歳月が流れました。 当初より主たる目的を自分のステンドグラスのスタイルを確立する事と位置付け 制作を始めました。自分の創りたいものだけ作る!聞こえは勇ましいのですが 経済的に不可能に近い目標なのです。制作拠点を東京から塩尻の地に移し一層厳しい 環境となりましたが趣味であった登山とスキーがその基盤を支える事となりました。 長野県登録信州登山案内人資格、日本山岳ガイド協会の登山ガイド資格を得て 我が最強のパートナーである田村まゆみと日本アルプスの山を隅々まで歩きまくり ステンドグラスの世界で轍のない道を歩く中、夢の実現のために汗をかいたのです。 日本アルプスのほぼ中心に位置する塩尻は山を職場とするには最高の環境でした。 パネル作品を中心に、テーブルランプやランプシェードを主に手がけてきましたが、 どこかで見たようなステンドグラスとは一線を画すオリジナリティーを目指しました。 思い続 けて来たことは、それだけで美しいガラス素材を活かした作品を作ることです。 ステンドグラスは光の芸術であり、時間の芸術です。素材そのものが美しいこの仕事は 時々刻々と変化する光しだいで、作り手の力など遠く及ばない至上の輝きを作品に もたらしてくれるのです。まさに光が織りなす環境音楽というにふさわしいものだと 感 じるのです。 私は自分自身の生き方の証明としてステンドグラス作りに携わってきましたが、当たり 前のこととはいえ自分の好きなことだけをやり続けるということは、少なからぬ困難を 覚悟しなければならないことでした。しかしかえってその厳しい環境に置かれた事に より大自然の中から吸収する感覚を研ぎ澄ますことが出来て作品に反映しているのだと 信じているのです。 いまでは、私の作品が生活空間の中で自然の光をたっぷり含んで豊かに光輝き、それ が人々の心をしばし癒すことができればと願うばかりです。 今後は、特に山で見て感じ吸収したであろう景色文様を50年の蓄積であるガラス素材 での表現にチャレンジするつもりです。 ステンドグラスに少しでも関心のある方々にとって少しでも参考になれば幸いです。 小口研治 |
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