小口研治の気まぐれガラス日記11  2014年6月01日 扉のガラス

 両開きの扉にステンドグラス素材のガラスを嵌め込みました。両方開いた状態でもブルーの透過光を見ることが出来ます。
 扉のガラス
 素材そのものが美しいガラスですが、そのままカットして窓に入れることは不可能ではありませんが簡単ではないと言うお話です。
 ブルーのガラス   ブルーのガラス、いろいろな色が各メーカで

  異なる製法によって作られています。
 ガラスのカット    こんな感じに色の濃淡を切り分けて行きます。
 ガラスの厚み   簡単ではない、その理由は厚みが均一ではないことです。

  現在の住宅建材用のガラスは規格が定められていて周辺部材と

  合うように統一されています。ステンドグラス素材もマシンメイドの

  ものはともかく、ハンドメイドやセミハンドメイドのガラスの多くは

  厚みに関してはばらばらです。特に手吹きガラスの技法で作られる

  アンティークグラスは一枚のガラスでも部分によっては倍以上も

  厚みの差があるものがあります。
さまざまな厚みのガラスの問題はステンドグラスの鉛組技法で解決します、写真はガラスと鉛の断面図でH型の鉛に左右の

異なった厚みのガラスがさし込まれます。厚いガラスはカットしてさし込み、薄いガラスは隙間にパテを詰めて固定します。
 厚みの処理方法
 ガラスのマスキング   扉のガラスも全て一枚々を鉛で組む

  作業を繰り返します。
 鉛組   特に薄いガラスは鉛の上下真ん中になるように

  軟性接着剤で固定してからパテ詰めをしました。
パテの行程    接着固定後のパテ詰め、通常のステンドグラスでは

  接着の行程はありません。
 マスキング行程   ガラス面を鉛に合わせてマスキングして

  少しパテが硬化したところで剥がせば完成

  です。
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